「もし~ならば」という仮定や条件を表す文(英語)

英語の条件文と仮定法は、さまざまな状況や可能性について表現する重要な文法です。現実的な条件から非現実的な仮定まで、時制によって異なる意味を持つため、正しく理解して使い分けましょう。

1. 直説法現在(現実的な条件・推量)

構文:If + 現在形, 主節(現在形・will・can など)

用法:現在や未来の不確実だが実現可能な事柄についての推量

例文:

  • If it is necessary, I can cook dinner tonight.
    もし必要なら、私が今晩の食事を作りましょう。
  • If you are tired, we will go straight home.
    疲れているなら、すぐに帰宅しよう。
  • If it rains tomorrow, I will watch a movie at home.
    明日雨が降ったら、家で映画を観ます。
  • If you study hard, you will pass the exam.
    一生懸命勉強すれば、試験に合格するでしょう。

2. 仮定法過去(現在の事実に反する仮定)

構文:If + 過去形, 主節(would・should・could など)

用法:

  • 現在の事実に反する仮定
  • 現在や未来に関する実現の可能性の低い仮定

現在の事実に反する仮定:

  • If I knew his address, I would give it to you.
    彼の住所がわかっていれば、教えてあげるのですが。
    (現在の事実に反する仮定、実際には知らない)
  • If I were you, I would help him.
    私が君なら、彼を助けてやるのですが。
    (現在の事実に反する仮定、実際には君ではない)
  • If I could speak French, I would visit France.
    もしフランス語が話せれば、フランスに行くのですが。
    (現在の事実に反する仮定、実際には話せない)

実現の可能性の低い仮定:

  • If you ran all the way, you could get there in time.
    ずっと走っていけば、間に合うだろうけど。
    (実現の可能性の低い仮定、とても走っては行けまいという含みがある)
  • If I won the lottery, I would travel around the world.
    宝くじに当たったら、世界旅行をするのですが。
    (実現の可能性の低い仮定、宝くじに当たることはあるまいという含みがある)

3. 仮定法過去完了(過去の事実に反する仮定)

構文:If + 過去完了形, 主節(助動詞の過去形 + have + 過去分詞)

用法:過去の事実に反する仮定

例文:

  • If I had known you were in hospital, I would have visited you.
    あなたが入院しているのを知っていたら、お見舞いに伺ったでしょうに。
    (実際には知らなかったので、お見舞いに行かなかった)
  • If I had had more time, I could have finished the task.
    もっと時間があったら、その仕事を仕上げられただろうに。
    (実際には時間がなかったので、仕上げられなかった)
  • If she had studied harder, she would have passed the exam.
    もっと一生懸命勉強していたら、試験に合格していただろうに。
    (実際には十分勉強しなかったので、不合格だった)

4. 混合仮定法(時制の混合)

if節と主節で異なる時制を使う場合があります。過去の仮定が現在に影響を与える状況で使われます。

  • If you had not eaten so much then, you would not be so sleepy now.
    もしあの時あんなにたくさん食べなかったら、今そんなに眠くはならないだろうに。
    (if節は過去完了形、主節は現在の事実に反する仮定)
  • If I had studied English harder when I was at college, I could travel abroad at any time.
    大学のときもっとしっかり英語を勉強していたら、いつでも海外旅行ができるのに。

5. その他の条件・仮定表現

条件や仮定を表す表現は、if以外にも様々なものがあります。仮定法を使うものと直説法を使うものがありますので、使い分けに注意しましょう。

Unless(~でない限り)【直説法】

  • Unless you hurry, you will miss the train.
    急がないと、電車に乗り遅れますよ。
  • Unless it rains, we will have a picnic.
    雨が降らない限り、ピクニックをします。

Suppose / Supposing(仮に~とすれば)【仮定法】

  • Suppose you were the president, what would you do?
    仮にあなたが大統領だったら、何をしますか?
  • Supposing he doesn't come, what shall we do?
    彼が来ないとしたら、どうしましょうか?

What if(もし~だったら)【直説法・仮定法両方】

  • What if we miss the last train?
    最終電車に乗り遅れたらどうしよう?
  • What if you had been born in a different country?
    もし違う国で生まれていたらどうでしたか?

倒置を使った仮定法【仮定法】

  • Had I known about it, I would have told you.
    それについて知っていたら、あなたに話していたでしょう。
    (= If I had known about it...)
  • Were I you, I would accept the offer.
    私があなたなら、その申し出を受け入れます。
    (= If I were you...)

まとめ

英語の条件文や仮定文は、時制によって表現される内容が大きく変わるため、以下のポイントを押さえて使い分けましょう。

  • 直説法現在:実現可能な条件や推量
  • 仮定法過去:現在の事実に反する仮定、可能性の低い仮定
  • 仮定法過去完了:過去の事実に反する仮定
  • その他の表現:より自然で豊かな表現力を身につける

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最終更新:2025年6月6日

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